鴛鴦呼蝉庵日乗
2005.03.01  現像

 ふと、昔のことを思い出しました。マイクロドールXです。この現像液を3倍希釈にして、少し低い温度で現像します。フィルムはTRI-XかPLUS-X。動きのあるものは、TRI-Xでしたが、ほとんどがPLUS-Xでしたね。TRI-Xを使う場合は、400ではなく、320に減感して使います。それと、パナトミック-Xというのも昔ありましたが、今はどうなのでしょうか。それと、富士のミニコピーとかも使いましたね。効果を狙う場合は。赤外線フィルムは風景に使いましたが、あまり効果がないので、ほとんど使っていません。
  で、現像液はゲッコールが多かったのですが、やっぱり、マイクロドール-Xがよかったですね。減感に希釈液を使うと、粒状性がほんの少し荒れますが、それでも、きれいな粒子の並びになります。当時、手書きで温度と現像時間のグラフを作りました。logグラフでないと、うまくいかないので、自分でフリーハンドの曲線がいびつでしたが、現像はちゃんとできていました。

 奈良原一光の新潮社の写真集を買いませんでした。迷ったのですが、今までの集成なら特にはいらないかと思って。岩波のいろいろな人の集成もいいのですが、あれなら平凡社の写真史の方が良いですね。でも、迷っていたりします。

 デジタルカメラも6X6になりつつあるので、思い切って、4x5のデジタルカメラを作ってみると面白いと思います。ほとんど実用にならないでしょうけど。夢は8x10ですね、やっぱり。Friends of Photographiの影響ですが。いずれ8x10に挑戦したいと思います。老後でしょうけど。あの空気感に挑戦です。それと、AAのゾーンシステム、私はあれは正しいと思いつつ、日本とアメリカでは色彩感覚が紫外線量の違いから生じると思っています。ですから、グレーからクロのゾーンシステムを日本的に修正したのを発表したいと高校の時に思っていましたが、そのまま忘れてました。

 印画紙は、イルフォのペーパーは高くて手が出ませんでした。もっぱら、VM3だったかな。コートの印画紙が出たばかりの頃ですからね。コダックのペーパーや、ギルミノがよかったのですが、なかなか使えませんでした。ただ、三菱から印画紙の提供があったときはうれしかったですね。当時、フィルムは年間に36枚取り換算で、120本は使ってました。ローダーで長尺を切ってましたが、かなり高額でしたね。印画紙もかなりの量を使ってましたから、年間20万以上使ったでしょうね。3年間で100万円を超えましたから、借金が。そんな高校生はなかなかいないでしょうね。
  ただ、副産物で、カルバーオートマチックプリンタが2台入手しました。今でもありますが、もう使わないでしょうね。こんなの。

 昔のフィルムをいずれフィルムスキャナで読み込みたいのですが、でも使うことがないから、どうしようかと。高校生フォトグランプリ、読売写真大賞、高校野球フォトコン、ヤングヤングフォトコン、あたりの入賞作品だけでも、デジタルにして保存しておきたかったです。

 高校生活のほとんどを暗室で過ごしたから、明るいところは今でも苦手です。かといって、あの現像液や酢酸の匂いも好きにはなれませんでした。セーフティライトの色も。嫌いではないですが、長時間、そんな中にいるものではないですね。健康のため。換気扇がないと。

 一枚の全紙に3枚の写真を焼くことにして、動かしつつ露光して、覆っての繰り返しで、ようやく完成した時は喜びましたが、見る方からすると、大きいパネル3枚にした方が、一枚のパネルに3枚の写真よりは見やすかったのではと思いました。

 ようやく思い出したのが、読売新聞の参与の福島武さんです。よくお世話になって、何かあると声を掛けてくださって、本当にありがたい思いでした。横浜美術館を勧めてくださったのも福島さんでしたね。残念ながら私はフランス語ができなかったから、応募しませんでしたが、まだまだ写真の美術館が少ない頃でした。その後に恵比寿に出来て、日芸の図書館も広くなりました。写大は名称が変わりましたが。

 写真はすでに封印していて、最近は、スナップばかりですが、やっぱり写真はストーリー性の高いものの方が性に合っています。文学と同じようにですね。視点があるから。

[今日の記録]
睡眠時間:5:50就寝、7:00起床、1:10時間。
天候:晴れ時々曇り。最高気温8度。湿度38%。
花粉症:外出時はかなりの鼻水。ドライアイ。睡魔。

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