鴛鴦呼蝉庵日乗 2003
  2003.04.26 選挙

 反戦のデモ、それ自体は自分の意志を表示する行為なので、表出行為として賛成しています。ところが、選挙の看板を見ていて、ふと疑問が生じました。本来なら、選挙で反戦の人を選び、その人が政治で何か動かしていく、それが本当の民主主義政治なのではないでしょうか。デモという行為は多い人でないと、あるいは社会や経済に影響を与えないと、政治は動きません。政治がからむデモだと、影響力はあってもデモそのものだと無視されてしまいます。だからこそ、政治と密着する必要があるわけで、それなのに、選挙の投票率は低い。どうも矛盾してしまいます。次回の選挙では、反戦派やいろいろな立場の人が出て当然ではないでしょうか。無党派、いや無投票派が考える世界は多分何もないかもしれませんが、しかし、その中でも気持ちを持っている人が、声を出していくことで、何か変わっていくのではないでしょうか。以前、省庁にいた人から話を聞きました。省庁への誓願は廊下に積まれて、いつか燃やされるというのです。政治家経由なら伝わってきます。使うべきは政治家であるというのがこの国の選挙制度の結果です。民衆の動きが政治に関わっていく時こそ、民主主義といえるのではないでしょうか。

 今日は、早稲田大学国語教育学会で、後輩の川原君の発表。ここは応援の意味もあって、質問を二つ。でも答えになってなかったですね。次回に期待。なかなかいい内容だったからこそ、より実証的に発表するといいでしょう。渡辺さんの発表はこれまでのまとめですが、数値だけの研究はやはり説得力が欠けますね。教材は内容を教えていたのだから。これも今後に期待。久しぶりに大平先生とご挨拶。そして、元千葉大の久米先生ともお話ししました。
 さて、川原君の発表で私の後に、町田先生、久米先生、大平先生の後、質問をしたのが、綾部でした。なんだ、いたのですよ。そこに。一年ぶりに再会、いや元気そうです。忙しそうでもあります。またの再会を約してきました。この秋には四人展ですから。いや、仲間と会うのはいいですね。昔を思い出すのと、考えが近いから。

 最近は電車の中で音楽を聴いています。昔はまわりの人のしぐさやしていることなどを観察するのが楽しかったのですが、最近、いやここ10年ぐらいですか、そういうことがあまり無意味になってきました。見ていても大体わかってしまうので、おもしろくないのかもしれません。電車の中は、大体が本を読んでいるか、携帯でメールをしている人が多いですね。土曜の午後だから、楽しそうに話している人もいて、もちろん私も学会なのですが、しかし行くまでは楽しむという感覚はないですね。行ってから人に会うのが楽しいですが。
 学会の前に浜本先生のパソコンのメール設定。今日で終了。たぶん、できたと思います。それと、ファックスの設定も。0発信できないのば、αを設定していたからでした。これも解消。野地先生の研究姿勢について伺いました。博士論文の印刷は浜本先生もガリ版を切ったそうです。もっと、聞きたいですね。

 よく、私は見て見ぬふりをすることがあります。その時の勢いよりも、今後の対応に期待するからでしょうか。包容力というか、そういう精神的な余裕がないから、欲しいのでしょう。多分。まあ、見られていて言われないのも怖いのでしょうけど。

 河出書房新社が『少女アリス』 沢渡朔写真集を復刊するとホームページに出てました。ついに復刊です。ついでに『森の妖精 ナディア』も復刊してくれればいいのに。東松照明の『太陽の鉛筆』も復刊して欲しいですね。4,900円/B4変形判/84頁 予約総数2000部以上で復刻復刊ということでした。もちろん、予約しました。あの名作ですから。

 仮定法過去で話すことがあります。「いや、がんばればできたのに」というような言い方。よく考えると、それは相手の意志と決定について反対することになってしまいます。むしろ、相手の判断を尊重した方がいいのかもしれません。もっと、真実的な、現実的な励ましが必要なのでしょう。理解しているつもりでも、どこか焦りが私にあるから、追い込もうとしているようです。

 6月末まで、日曜日は休めません。なかなか休日は遠いですね。勢いで勝負ですよ。ここ一番は。

そばにあったバラの花。なかなかいい色なのですが、写真にするとだめですね。

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