2002.10.30 秋冬
 スケジュールの管理をしっかりしていなかったので、午前中から5時まで休む時間がなく、昼ご飯を食べたのは5時30分になってしまいましたので、今日は夕食を摂らないで終わりです。食事をきちんと取らないと手が震えます。今年はいろいろなことがあって、季節も例年になく早く、そして例年になく、知っている人も不定愁訴にかられたりしています。この秋、いろいろな人がいて、その話を聞くたびに、なかなかそれを改善できない、いや、アドバイスが通じるかどうか、実はアドバイスは気休めに過ぎないという無力感にかられることがたびたびあります。いや、多いですね。例年になく、苦しい精神状態におかれる。そういう言葉で置き換えると、単なる悩みなのですが、しかし、その悩みは根元にあるものです。だれにでもある、自分自身の行くへの不安、人間関係の思惑違い、自分の理想と現実の差。そんな悩みがあって、それは誰もが一人でかかえて、それを乗り越えるのですが、最初の段階では、まだまだ耐える力が不足します。慣れるのも問題ですが、しかし、慣れないこともある。『こころ』を読むとき、自殺する「先生」の弱さと捉えてしまう読み方、それは今まである自分の読み方をそのままに摘要したものかもしれません。それはすでに作られてしまった道徳的な観点から作品を取り込む作業。それで終わってしまっては、自分の読み方に変化はない。自分の今までの読み方を乗り越えて、より新しい、そして正しいと思えるような読み方をできないか。それが課題。つまり、家庭での読書ではなく、読みことの活動を通した学習です。それは何か、それを解明していくこと。むしろ普遍への旅です。

 三谷幸喜の「good time & bad news」をテレビでやってました。テレビで見て、あれほどおもしろいのですから、きっと劇場ではもっと楽しいのでしょうね。ああいういい劇、たくさん見たいですね。楽しむこと、それがないと人生はつまらない。達成感、そして喜び。忘れてしまった、そして甦ることのない、過ぎた時の喜び。劇を見ることは、過去にすること。だからこそ、次なる展開を求める。次は何か。そして、その力を支える楽しみは何か。誰にもない、表現。それを求めて。まだまだ旅立ちの最中。きっとそこにある何かの手がかり。だからこそ、期待と不安と、そして見えない未来と。生きていること。

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