表現指導の問題点−アンケート結果から−


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1999.1.23
黒川 孝広

1.アンケートの目的

@国語科教育での表現指導が効果的であったか
A子どもたちの表現に対する意識はどのようであるか

2.効果的でなかった表現指導

子どもたちが身に付けたいと思っている表現力

表現指導の実際

3.子どもたちの意識の実態

@表現に対しての自信不足
A他者とかかわりたくないという孤立した意識
     − 個性化、自由化→勝手、孤立化 他者を理解せず
B日本文化が「協調性」を重視する社会
    − 対立を怖れて、表現を控える。

4.子どもたちの現状をふまえた表現指導の改善を

 表現指導の改善のポイントを次の4点にまとめる。
1.表現したいことを順序立てて、まとまった構成ができるような指導を確立すること。
2.表現指導を知識伝達のみならず、実際に練習し表現する機会を多く与えること。
3.「読む・書く・聞く・話す」という言語活動を独立した活動とせず、読解学習時にも
 有機的な表現活動ができるようにすること。

T 集計結果

アンケート数

アンケート数 
中2 中3 高1 高2 高3
71 77 159 174 41 522
(東京、埼玉の計6校、1997年秋実施

問3)書きやすくなりましたか


問4)[問3)]でそう答えた理由は何ですか。
[1書きやすくなった]の主な回答
・構成の仕方がわかって、順序立てて書けるようになった。
・他人にわかりやすい文章の形というものがわかったから。
[2そうでもない]の主な回答
・まとめられない。
・自分のいいたいことが伝わりにくい。
・実際は、なかなかその通りに書けない。
・内容をどう書けばいいかわからないから。
・1時間しか教えてもらってないのと、文章を書く機会がないから。

問2) 問5)書き方

問8)話しやすかなったか

問9)[問8)]でそう答えた理由は何ですか。
[1話しやすくなった]の主な回答
・あまり緊張しなくなった。
・聞き手にかわる話し方がわかった。
[2そうでもない]の主な回答
・あがってしまう。
・緊張してしまう。
・実際には教えられたとおりにできなかった。

問7)話し方で教えてもらったこと


問10)話し方で教えてもらいたいこと


問13)異なる意見


問14)自分の意見をはっきり言わない理由


問16)何かを話し合おうとすると、多くの人は次の二つの場合に分かれてしまって、なかなか話し合いにならない、という人がいます。その場合とは、
A「自分はこう思う」と自分の意見を言うだけで、相手の意見をよく理解しようとしない
B他人との衝突を避けるためか、ろくに自分の意見を言わず(又は持たず)、「それでいいんじゃないですか」という態度をとる


「Aであることが多い」を選択した主な回答
・自分が一度こうだと決めたら、まっすぐ通してしまうところがある。
「Bであることが多い」を選択した主な回答
・衝突したくないから。
・意見を持つことが苦手だから。
・衝突を避けるためというより、自分の意見が正しいか分からないので黙っている。
「話し合いによってはどちらにもなる」を選択した主な回答
・自分の意見がはっきりしていれば言うけど、そうでなければBのようになってしまう。
・その場のふんいきに合わせてどちらにもなる。
以上

早稲田大学教育総合研究所公開研究発表会「国語科における表現学習指導の研究」発表資料
1999年1月23日(土) 早稲田大学 16号館2階 教育学部臨時会議室

このアンケートのデータは、1998年度「早稲田教育評論」に掲載されます。


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