鴛鴦呼蝉庵日乗 2003
  2003.09.22  秋冷 
 

 内木明子さんと伊地知ナナコさんの朗読ワークショップを見学。内木さんの朗読はさすが、きれいです。清楚の中にも、きれいな響きがありますね。伊地知さんの朗読は、迫力がありますし、アドリブも効きますし、いい素質を持っていますが、演技のほうはしてなくて、演出の脚本の表現に進んだそうです。
 声を出す仕事は、伝えることが中心になりますが、その声を出すことを体験させることは、なかなか難しいことです。声を出すことは、相手に伝えるように見えても、実は伝わらないことが多いからです。伝わらないから、伝えたいと思うのです。伝えるために声の質や、大きさ、強弱などを変えたりします。それは、技法であり、その技法で、声の雰囲気で伝えていく補助とすることです。
 そして、声を出すということには、それに内容を伴います。内容の表現に工夫を凝らします。比喩や直接的な表現など。
 それに演技が加わります。演技というと、偽物になるかもしれませんが、しかし、それも自分の表現として認めていくことができるでしょう。その演技です。生きていく限り全て演技ですから。結局、どれが自分かわからないから、演技しつつけていく、あるいは、演技していくうちに、本当の自分に出会えるかもしれない、そうなんでしょうね。
 表現は相手に伝えるというよりも、伝わったかもしれないという、自分への安心のために、自分の存在価値を知るために表現していると思います。  

 気詰まりでしたが、秋空を見て、いろいろ考えていたら、大分楽になってきました。一人で留まっている状況を客観的に見ないといけませんね。難しいことです。ただ、本当に快方なのはかは、わかりません。一時的な躁鬱かもしれませんが、それでも、なんとか回復してきました。

 テレビをつけたら、「やっぱり猫が好き」をやってました。久しぶりの三姉妹が登場しました。さすが、おもしろいです、これ。

 3:00就寝、7:00起床、4:00睡眠。


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