鴛鴦呼蝉庵日乗 2003
  2003.08.31  月末雑感 
 

  田近研究室の学習会でしたから、今日は仕事が立て続けにあって、お休みさせていただきました。かなりせっぱ詰まってきました。いろいろな仕事の締め切りが近づいて、一つ一つどんどんしていかないと、終わりそうもありません。

 例のウィルス関係のせいでしょうか、最近、夜になるとネットのトラフィックが混むのか、通信不安定になりますね。パケットの処理に工夫を凝らすしかないかもしれませんが、こちらとしては、対策がありませんね。jcnetあたりが混んでいると思います。

 人は外見で判断するということ、なかなか理解されていないかもしれませんね。内面を見てくれている、そんなことは滅多にないことです。外形や外見で判断してしまいますからね。途中の過程や努力というのは評価対象になっていないのが事実です。
 大学入試や企業の採用試験もそうですね。知識面は内面ではなくて、知識という外面です。見た目で判断するから、幼稚園の入園試験などでは、保護者がフォーマルな格好をします。個性を主張すれば、よそへ行ってくれと言われますから。個性を主張することは、難しいことです。
 内面での判断は、内面を判断しているのではなくて、内面はきっとこうだろうという推測で判断していますね。実際の人間の全てや考え方を理解するには、数年かかります。それほどまでに24時間密着するわけではありませんから。夫婦でも理解するのに数年はかかるわけですから。
 内面の判断というのができないから、筆記試験を行うのですから、結局人事評価というのはできないというのが正解で、できるとしても、それは評価する側、評価する人のいままでの経験と感性によっているのが現状でしょう。

 経済・政治については、あまり触れていないのですが、社会保険料が現在、年収の24%を労使折半で負担していますから、大体、月給の12%ですね。これが、2025年になると、32%になるとの試算が出ました。当初36%だったのを32%に抑えるというのですが、あと22年後ですね。その頃にはきっとこの数値、変わってます。
 現在はおおよそ、月給の20%が税金と社会保険料ですね。で、税金も上がるでしょうから、そうなると、月給の30%以上が支払いとなりますね。
 極端な計算ですが、たとえば、30万の月給だと、

 現在 30万×0.8=24万
 将来 30万×0.7=21万

例えばの話で、こんな収入はないですが、月収と使えるお金について。これも極端なので現実的な内容ではありませんが、試算としてのモデルです。

     20代 30代 40代 50代
 月収 20万 30万 40万 50万
 現在 16万 24万 32万 40万
 将来 14万 21万 28万 35万

 ということは、4歳ぐらい現在よりも低い収入となりますね。ということは、それだけ購買力も低くなりますし、それに住宅購入資金の調達も遅れますね。結婚や子育ても遅れることになり、少子化が進みます。少子化が進むと、高齢者の分は少子化した世代が負担しますから、それだけ税金が上がる。よって、次次世代になると、月給の50%が税金と保険料ということにもなりかねませんね。
 では、これをふせぐにはどうするか。国の借金を今のうちから減らすしかないですね。ではどうやって減らすか。節約しても大したことはないので、結局は人件費となります。国家公務員や地方公務員の削減もあるでしょう。民間委託は多くなるはずです。公務は機密事項と全体監督となり、実務は民間委託となりますね。競争原理が働いて、サービスはよくなるでしょうが、それに伴う安全や継続性はなくなります。
 同時に、政治家の数も当然減らすことになります。今よりも30%以上削減する時代が来るでしょう。そうでないと、国家や自治体の赤字は補完できなくなります。
 大人買いという言葉も少なくなりますね。そして、本やCDも新古品、中古品販売が増えるはずです。家電もそうでしょう。新品は後から買うことになりますから。ソフトやCDやDVDもレンタルが増えて、裏での違法コピーはますます増えていきますね。CDの違法コピーを防ぐために、コピーコントロールができたように、ソフトやDVDもより強固なコピーコントロールができるようになりますね。テレビなどのデジタル化によって、それは推進されるでしょうから。
 そうなると、ネットやテレビやラジオなど、聞く前、見る前に見せろという要求が高まりますね。つまり、使用してから購入するという制度ができるようになります。
 ところがこの制度は購入数を減らすことになりますね。コンテンツのいいものだけしか買わなくなりますから。
 映画やCD、コミックなどが乱立的に毎月多くが出される時代になったとき、人口の減少とコンテンツの現象で、数自体は減るでしょう。
 しかし、新しいコンテンツが増えていきますから、それはそれで時代は進化していくと思います。
 ただ、収入が減っていく以上、購入数は当然、減少していきます。これからの経済状況をかんがえると、この要素を十分に考えないと、出産率も低下し、生産率も低下し、購買量も低下しますから、文化も細ります。
 リストラによって伸びた企業はありません。収益悪化を抑えた企業はあります。リストラだけでは無理で、リストラをした後に企業体質を変えていかないと、利益向上はありません。
 現在の政治が出した、国債という借金を支払い、そして、その時窮乏した国家を救うのは、今の政治家ではなくて、まだ生まれてもいない人材なのですから。生まれてもいない人材に対して借金を返済させるという無謀なことが行われている限り、国家のためという大義名分は、白々しいことばに聞こえます。
 もっとも、こういうことを書いている私自信の言葉も白々しいものですね。これらのことを考えても何も政治や行政に働きかけをしないのですから、文句言いとなんら変わりがないのですね。もっと批評していく人々が政治や行政に関わっていって、世を直さないとどうにもなりません。
 受け身から能動的へという意識変換ですね。なかなかこれが難しいのです。

 3:30就寝、9:30起床、6:00睡眠。


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