2002.12.07 兄弟子
 府川源一郎先生の研究発表でした。樋口勘次郎の『修身童話』について、詳細に検討したものです。詳細な調査による内容分析でした。樋口勘次郎については、統合主義、あるいは活動主義で有名ですが、その統合主義の産物として『修身童話』を定義したものです。府川先生の代表的な著書、三部作
 「ごんぎつね」をめぐる謎
 「稲むらの火」の文化史
 消えた「最後の授業」
があります。子供の身近な教材を分析する視点、それは府川先生のオリジナリティです。
 発表もさることながら、その後の懇親会がよかった。久しぶりに田近先生の懇意な「いやみ」を聴きましたので、有意義です。そして、府川先生とは二次会までおつきあい願えました。いや、いい話です。府川先生は実直であり、その視点がぶれることがあまりせん。いつも言っていますが、甲斐裕一郎先生、高木まさき先生、松崎正治先生が兄貴分。師匠継承というのはあまりありませんが、先生筋という形で検討すると、府川先生は兄弟子にあたります。田近先生とは学部時代からのつきあいですから、府川先生は田近先生の一番弟子と言ってもいいと思います。それで牛山先生もかけつてくださったのでしょう。

 師匠といいうのは学問ではふさわしくありませんが、恩恵を受けた先生が一人はいると思います。そういう生涯を通じて研究姿勢を批正してくれる人はありがたいものです。

古田東朔先生です。
田近先生。
左奥が牛山先生。
発表する府川先生。

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