2002.11.30 対面
 商店街の記念行事を見てきました。商店街だけに集客力が大切なので、そういう行事で人々を集めることは必要です。遠くから集めるにはそれ土地にしかない独特な店が必要ですが、そのためには多くの情報が必要ですし、今までの店の形態を変える必要があります。形態を変えると地域の人とのつながり、長年のつながりを変えることになります。変えることは地域の人とのつきあいを変えてしまうので、生活様式、それはその店のみでなく、地域の人の生活様式を変えてしまう可能性もあります。そうなると、その店に今までの人が来るかどうかはわかりません。それゆえ、今までの店の形態は変えずに、外観や内装などを変えること、品目の変更などを中心にしてリニューアルすることになります。それが成功しない場合は、店そのものでなくて、商店街全体のこと、道路や歩道や、街路灯やアーケード、アーチなどを改修することになります。アーケードは傘を差さなくてすむ分、お客がゆっくり買物をできます。話ながらも歩ける、またはゆっくり歩くことができる、そういう場所として、コミュニティとしての商店街があります。
 最近のネット販売や通信販売は、インフラに依存するものです。ネット販売のためにはインターネット接続普及率があります。そのためには、パソコンの普及率、パソコン利用のリテラシー能力、電力供給、ソフトのインターフェイスなど、いろいろな要素が重なり合って初めて成功します。通信販売では、カタログ印刷やカタログ郵送、電話回線普及などの要素が必用です。しかし、両者に必要でかつ重要な用件は、運輸の普及です。宅配業者がこれまでに普及しなければ、通信販売は成立しません。輸送料が高額では、近所で購入した方が楽だからです。ネット販売と通信販売には運輸の普及が最優先で必要な事項です。
 商店街がこれからうまくやっていくには、ネット販売や通信販売と同レベルで争うことは無意味です。むしろ、商店街のもつ、コミュニティとして、コミュニケーション、つまり対面販売の良い面をもっと協調すべきでしょう。対面販売たからこそ、信用販売となります。いいものを選び、いいものを売る。そして相手のニーズを探り、それにあったケアをする。そういうモノだけを扱うのではなく、ものとサービスを売る。コミュニケーションを売るという意識でこそ、成立するのが商店街だと思います。いつでも、そこに行けば、品物があり、人がいる。そういう世界として門前町の流を商店街がうけつぐこと、そのためにはイベントは必要だと思います。
 子供の頃は近くの商店街で、毎月4のつく日が縁日でした。そういう郷愁もこれから必要かもしれません。

 随分疲れたのか、早めに寝てしまいました。それゆえ、翌日に書いています。

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