2002.11.28 紅葉
 今日の昼食は外で摂りました。手打ちそばを食べたのですが、いつもとは違うところで鰹だしのかけそばを注文しました。うどんを食べる文化地域にいましたから、そばを食べることはありまありませんでした。うどんを食べる地域は、米ができないぶん、土壌成分がよくないといわれますが、今の時代はそんな影響はないようです。自分で食べるときは、うどんが多く、ゆでた後のむらしに時間をかけます。少し固めにゆでて、余熱でゆっくりむらします。アルファ化にはならないかもしれませんが、余熱を使うとコシが出るような気がするからです。もちろん科学的根拠はありません。ただ、今までの慣例とでやっているまでです。うどんの銘柄は特にこだわっていません。最近では讃岐うどんが流行のようですが、特にこだわることなく、ふつうのうどんを楽しんでいます。
 かけそばよりももりそばを食べるのですが、その理由は汁にあります。しゅうゆの濃いつゆはどうも苦手です。子供の頃はしょうゆや塩を多くかけていました。私の家ではカレーにしょうゆをかけてました。それで、色が付くぐらいかけていたのですが、味覚は変わるようです。今はしゅうゆをほとんど使いません。使うとしてもわずかばかりです。冷や奴もしゅうゆを使いませんし、お寿司の時も使いません。それゆえ、もりそばの時は、つゆをほんの少しつけて食べることにしています。その方が緬のおいしさがわかるからです。素材のおいしさを感じるようになってからは練り物については選ぶようになりました。
 自分にあったそばやうどんとは結局の所、自分で作るしかないようです。味覚は人によって違いますから、食べる楽しみというのは、他人の味覚を味わうことなのでしょう。自分で作るそばつゆの味はおいしいとおもうのは、他との比較によって成り立ちます。そういう点で私たちはいつも比較しながら自分を眺めているのでしょう。比較だから、相対的で、結局の所、自分の絶対的な価値はわからいままだと思います。

 一方的な思いは他人の迷惑になるから、相手の気持ちを想像して一番いい方法をとりたいのですが、なかなかそうはいきません。あくまでの自分という主観の上にたった意識で行動してしまいます。自分を抑えるのは難しいことです。他人の迷惑のまま生きている。それを覆すことができれば、成長できるのでしょう。難しいことです。

 「暮らしの手帖」が第四世紀となりました。私が読み始めたのが第二世紀の始まりの頃でした。今回は大きさも変わりましたが、前に比べて軽くなりました。その方が手にとって読めるので楽です。以前だと重くて机におかないと読めませんでしたから。いつもながらいい記事ばかりです。ここ数年は読む時間もなかっので、少しの記事だけ眺めていました。今回からはじっくり読んでみようかと思います。この雑誌の姿勢がいいですね。広告を取らないで自分たちが正しいと思う雑誌作りをしているところが。採算が取れるのか不思議ですが。

 自分は自分の思い通りに生きていければいいのですが、なかなかそうはいきません。集中力なんてなかなかないものです。よくて1年間ぐらいでしょう。今日もすべきことの前に細かいことをいろいろやっていたら、時間が経ってしまいました。時間は何時も不足しています。一日48時間ぐらいあると、一年間でしたいことをやり遂げられそうです。そんな短い時間でいいのかといわれそうですが、今のところ抱えていることをその時間に終えるだろうという推測で、そのうちにまたしたいことが増えてくるのでしょう。

 受験のためにお稽古ごとをやめたという話をよく聞きます。ただ、辛いことをするのに、楽しいことを封印してしまうとストレスがたまります。楽しいことばかりでは人は成長しません。辛いことがあって成長します。でも、辛いことの中に楽しいことを入れないと疲れてしまいます。そのバランスが難しい。

 今日、そば屋の帰りに、ふとジョンレノンが死んだときのニュースを思い出しました。ああ、そういうことも起こりうるのだという気がしたのを覚えています。それも他人のように。でも、友達は事の大事さに敏感でした。私にはわかりませんでしたが。その後、人の死を悼むことは、かなり後になってから知ったことです。自分が死んでもすぐ次の人が自分の換りに仕事をしてしまいます。だから自分だからこそできるものがあるのではないかと思います。だれも私の換りになれないこと、そのことを信じたい、しかしそうではない現実。そういう中にうごめくから、考えはいつまでも巡ってしまうのです。同じ事ばかり考えている、ぐるぐる思考をしていしまって、なかなか前進しません。悩むことは留まっていること。前進することで対処できます。そうはわかっていても、留まってしまう。それを自分でどう納得させるかです。

 昼のそばを食べた帰りに、公園の紅葉がきれいでしたので撮影してきました。普段はデジカメを持ち歩きませんが、この日はデジカメを入れたままのカバンで出かけましたので、撮れたわけです。よく見ると手ぶれをおこしているので、もうすこしレンズの明るいデジカメがあるといいと思いました。

紅から緑のグラデーションは心穏やかになります。
紅葉は一つ一つの美しさもありますが、全体の美しさもあります。
近くで見るよりも、少し遠くから見ると映える気がします。
池に映る姿もまた、格別です。
左にサギがいます。
日が暮れかかっていましたから、空も赤味かかっています。
コムラサキです。葉はすでに落ちてしまいました。
外側から順に紅葉していくのは温度に関係します。
今年はどこでも紅葉が見頃だったといいます。

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