鴛鴦呼蝉庵日乗
  2002.05.15 ヒューマンハラスメント
 こんなことばがあるかどうかわかりませんが、セクシャルハラスメントではなく、人に対してのハラスメントというのがあるのではないかと思います。というのも、テレビのコマーシャルで、太ったペンギンが飛べずにエステに通うというもの。それでは、いかにも太っているということが罪悪ということになってしまいます。エステのCMでもそうです。ダイエット食品でも太っているひとは悪いものとして扱われています。体重は自己管理できるということからでしょうか。身長は自己管理できないから、身長差を扱うものはないでしょう。でも体重差は自己管理という対象がから、CMでも扱われるのかも知れません。しかし、セクシャルハラスメントというものがあっても、人間として、それは男女という性別を越えた差別意識があるのではないかと思いました。知らないうちにそのような差別、あるいは太っているということがよくないという価値観を植え付けられている、それがもう文化として当然の行為なら、だれも文句のない所でしょう。しかし、実際にそれで差別意識を受ける人もいるわけで、そうなると、これはヒューマンハラスメントと呼んでもいいかもしれません。もっとも、このことばは既に使われているかもしれませんが。
 価値観というものは、一度植え付けられるとなかなか解消できないものです。特に情報は一番最初に入ったものを信じる傾向があります。そのが間違っていても。それゆえ、情報は最初に入れるというのが大切なのです。情報はそのものが客観的であっても、その入手する順番で大きく価値がかわってきます。それゆえ、タイミングというものも情報の概念に入るとすると、その価値づけること、その価値そのものも、すでに文化の中に存在するとしたら、それは、情報のやりとりを含めて「情報生活」として広く捉えることが必要なのではないでしょうか。

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